第VII章
楽譜の文法事項


記載/2016年3月4日

★ 3.装飾音
第201ページの「長いトリラー」の例
この方法は、声楽における長いトリラー、ribattuta(リバットゥータ)の模倣です。
古い時代の歌い方で、母音を発音する時に、連打のように喉を叩いて声を出す、或いは口蓋垂を震わせるように出す方法があります。
その連打は同音連打から派生しましたが、後に主要音と隣接音を交互に最初はゆっくり、加速される、しかも1音上の音にアクセントが付く(強く短く)ような発声の模倣で、結果として譜例のような付点のある徐々に速くなるトリラーとなります。最初の2回は複付点で記した方が相応しいかもしれません。いずれにせよ音源なしでの説明が難しいので、近い将来、声楽の方に動画をお願いしたいと思いつつ未だに実現していません。
この譜例のプレリュードに限らず、J.S.Bachの2声のインヴェンションの中でも取り入れることの出来る曲はあります。 第4番d-moll, 第7番e-mollの長いトリラーです(初めて弾く場合には不可能としても)。
けれども、ひとつの模倣遊びとでも言いますか、「こうあらねばならない」ということでは決してありません。












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